2013年10月18日金曜日

宇宙落語会

 附属天文台長の柴田です。
  前回のブログでは、花山天文台特別公開ウィークと野外コンサートのことを書きました。今回は、市民向けのイベント企画、「宇宙落語会」のことを書きます。
  宇宙落語会というのは、最新の宇宙科学や宇宙開発などの話をネタに新作落語を作り、プロの落語家に上演してもらうという試みです。2年前に始まりました。宇宙落語会の始まりは、NPO花山星空ネットワークの理事を務める私の友人の岡村勝君が、「知人(の知人)にプロの落語家がいるんやけど、京大の宇宙総合学研究ユニットでやっている「宇宙とアート」プロジェクトみたいな感じで、「宇宙と落語」を融合させたらおもしろいんとちゃうか?」というアイデアです。
  岡村君は京大理学部時代の同級生(1回生のクラスが同じ)で、数学科を出て、大学院は京大工学研究科数理工学科に進み、のち日本鋼管を経て、20年前からソフト開発ベンチャー企業(株式会社ヒーロー)を経営している社長さんです。私の世間(とくにビジネスの世界)の情報はすべて岡村君からの情報です。ちなみに、3.8m望遠鏡プロジェクトの産みの親の藤原洋君(同じく京大理学部の同級生)の産業界での活躍を教えてくれたのが岡村君です。岡村君がいなければ、3.8m計画は産まれていなかったかもしれない、という恩人の一人です。ということで、岡村君は3.8m計画にも積極的に応援してくれていて、宇宙落語会でも3.8m望遠鏡計画の寄附集めのちらしなど一緒に配ってくれています。

 さて、今年の11月30日の午後に、第3回の宇宙落語会を京大時計台で開催しますので、皆さんぜひご参加ください。周辺の方々にも宣伝してください。宇宙落語は、関西落語界の重鎮になりつつある林家染二師匠が上演し、新進気鋭の若手落語家の桂福丸さん(京大法学部出身)が宇宙に関係した古典落語を上演します。また、京大出身のシンガーソングライター脇阪真由さんに特別出演(ミニコンサート)していただきます。

さらに今年は、基調講演者として元天文学会理事長で神戸大名誉教授の松田卓也さんをお招きします。松田さんは、京大天体核研究室出身で、かの林忠四郎教授門下、佐藤文隆先生の直弟子という方。理論家には珍しく、元は天文少年だったそうです。私が京大理学部に入った頃に、ブルーバックス佐藤文隆・松田卓也著「相対論的宇宙論」が出版され、熱中して読んだ記憶があります。私はそれ以来の松田さんのファン。その松田さんが「コンピュータが人類を超える日―2045年問題」という、大変興味深い内容の講演をされます。ちなみに松田さんは、私がこれまで会ったことのある研究者の中で、最も話がおもしろい人です。知る人ぞ知る「プレゼン道入門」の伝道者。宇宙落語会には最適の人でしょう。乞うご期待!


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2013年10月4日金曜日

演奏会のお知らせ


光学など担当の岩室です。
私の所属している京都混声合唱団の演奏会が近づいて来ましたので、今回は演奏会のお知らせです。
 

日時:2013113日(日・祝)14時開演
 
会場:京都コンサートホール 大ホール
 
曲目:メンデルスゾーン作曲 オラトリオ「エリヤ」
 
指揮:広上淳一
 
管弦楽:京都市交響楽団
 
 

 
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 この曲は全42曲からなる2時間を越える大曲で、京都混声は1985年に1度演奏して以来(若かりし私も出演してましたが)28年ぶりの演奏となります。
預言者「エリヤ」の生涯を描いた内容は、旧約聖書からの言葉が数多く引用され、非常にドラマチックなものです。今回の演奏会では、液晶モニタ2台を併用して歌詞表示だけでなく、何か所かで挿絵を用いた視覚効果も用いて演奏する試みも行う予定ですので、話の流れを知らなくてもお楽しみ頂けるのではないかと思います。
 
今回の演奏会は合同演奏会ということで、大津のびわこアーベントロート合唱団と一緒に演奏を行います。この合唱団は京都混声とは古くから交流があり、滅多に演奏できない大曲を合同でやりましょうということで、2年半前からスタートしたプロジェクトです。長くかかったプロジェクトが結実するときの達成感は、長くかかった研究開発が完成する時の達成感と共通するものがあり、なかなか得難いものです。新望遠鏡も早く完成させて、皆で達成感を味わいたいですね。