2014年9月19日金曜日

量産開始?

  こんにちは。鏡製作担当の高橋です。

  去年の今頃、「槍ヶ岳に登ってきました」というブログを書きましたが、今年は奥穂高岳に登って参りました。本当は、「富士山に登ってきました!」と書き出したかったのですが、天候とお休みの兼ね合いで叶わなかったので、来年以降に持ち越し、富士山に見劣りしない山に出かけたのでした。

  閑話、、

  あ、前回のブログで書いたワールドカップ優勝予想、当たりました!
えっへん。とはいえ、ほぼ初めて購入したtotoはあえなく全滅でした。やはり、難しいものですね。

  閑話休題。

  京大岡山3.8m望遠鏡製作ですが、量産体制に入ろうとしています。先日、京大の木野さんにCGH干渉計の調整と、より使い易いように、との改良をして頂きました。これで、あとはじゃんじゃん加工をしていくだけ!(少し願望込みですが)ということになりました。
  写真は、加工準備中の一コマで、「やとい」と呼ばれる硝材を設置しているところです。この「やとい」、研磨の際に鏡の縁の形状が「ダレる」のを防ぐ効果があります。
  3.8m望遠鏡は、18枚の鏡をきっちり並べて1枚の鏡として使用するため、鏡の端の形状が悪いと、全体として1枚の鏡の中に鏡として使用できない領域が増えてしまうことになります。せっかく大きな鏡を作ろうとしているのに、これではまずい!ということで、この「やとい」の出番となります。写真では扇の「かなめ」側に一つあるだけですが、最終的には扇の周囲全てに設置して、研磨開始となります。

  さあ、早く残りをやっつけないと。。

  次回には完成した鏡の写真をお見せできますように。


  では。






2014年9月12日金曜日

2020年代の光赤外計画書

こんにちは。観測装置担当の松尾です。
半年ぶりのブログになります。

今日は、私が最近携わっている「2020年代の光赤外計画書」についてご紹介します。そもそも、光赤外計画書とは何でしょうか?
京大3.8m望遠鏡やすばる望遠鏡は、可視光から赤外線の光を観測しています。また、宇宙に目を向けると、JAXAの赤外線望遠鏡「あかり」も同様に、赤外線からより波長の長い遠赤外線を観測しました。このような望遠鏡の開発や運用によって、科学的成果を挙げるコミュニティが自主的に形成されています。そのようなコミュニティの下で、およそ10年前の2005年に「2010年代に光赤外コミュニティとして、どのような科学的研究を推進するのか?」また「その科学的研究のために必要な望遠鏡や特色のある装置は何か?」ということが真剣に議論され、それを2010年代の光赤外計画書として2冊の本にまとめました。要は、そのコミュニティにおける指針となっています。現在でも、大変重宝されています。

このような検討は日本に限ったことではなく、アメリカも同様のことを行なっています。ディケイダル(10年間の)・サーベイ(洗い出し)と呼ばれており、波長を超えた枠組みでアメリカの進めるべき科学的課題を洗い出し、その順位付けまで行なっています。私は、2010年頃までアメリカに居たのですが、ちょうどディケイダル・サーベイのまっただ中におり、NASAJPL研究所で携わった計画がその主要な課題に挙げられず、チームが解散する事態を目の当たりにしました。アメリカにおける検討は、日本よりも強い影響力を持ちます。

話を戻しますが、2020年代の計画書は、これから5年・10年先を見据えて、2020年代に光赤外コミュニティとして何を推進すべきかを現在議論されています。私は、この計画書において、太陽系外惑星科学(太陽系の外に発見されている惑星を対象にした科学)として光赤外望遠鏡を使って2020年代に何を進めるかというサイエンスの立場から参加しています。将来の夢を膨らませてのある話も出来る一方で、研究者として責任のある立場で最重要の科学テーマを洗い出さなければいけません。また同時に、系外惑星科学の推進に必要な望遠鏡を考えていくことになります。


来年の夏に完成予定です。完成すれば、光赤外コミュニティから他の波長(高エネルギーや電波)のコミュニティへ発信し、また海外にも要約が発信されます。我々の渾身の一冊を是非ご覧ください。大事なことを書き忘れましたが、京大望遠鏡は地上望遠鏡計画の重要な位置づけになっています。



2014年9月5日金曜日

雨雪ソフト

光学など担当の岩室です。

 娘が高校の文化祭で今流行りの「アナ雪」の演劇をするらしいのですが、背景を雪や吹雪にするシーンがあってどうしたらいいか先日相談されました。紙吹雪は掃除が大変なので、ミラーボールか液晶プロジェクタかな、ということでとりあえずは経費のかからない液晶プロジェクタで吹雪の背景を作ることにしました。
 写真に雪を降らせるなどの動画加工は可能なはずなので、どこかにあると思って探した所、いいものがありました。
Sqirlz Water Reflectionsというフリーソフトで、画像に雨や雪を降らせたり水面を加えて波や波紋を加えることのできるものです。これを使うと本来嫌がって水には入りそうもない我が家のドラちゃんを、雪の降る温泉に入れる事もできます(湯気の効果はありませんが...)。他にも、これで天体画像を加工したりすると、通常ではあり得ない違和感があって色々遊べます。何かのプレゼンでも使えそうですね。








 演劇の背景はこれを使って白~青のグラデーションでのベタ背景に横殴りの吹雪やちらほら降る雪のアニメーション加工をし、無事に使えているようです。


 最近は、プロジェクションマッピングなどでも良く利用されているプロジェクタですが、演劇などの光を使う舞台上では光量が不足して見づらかったり、影ができる場合があったりして、簡単な背景以外では使いづらいですよね。有機ELの巨大シートが量産されるようになれば、舞台背景にはこれが常設されて好きなシーンを簡単に映して演劇が楽しめるかと思います。その頃には、各家庭のテレビもポスターやカレンダーの感覚で壁に貼って見るようになっているのでしょうね。