2018年9月3日月曜日

Vチューバー

  光学など担当の岩室です。

 今回は V チューバーの話です。
U チューバーという人々の存在は既に世の中の隅々にまで認知されているかと思いますが、最近、V チューバーなるものの存在を知り、どういうものか調べてみました。
どうやら、自分の代わりにアニメの3Dキャラ(アバター)を使って動画を製作して流す人たちのことで、顔出しせずにいろいろできるのと、見た目の萌え度が簡単に上げられるのが人気の秘密のようです。もちろん、"V" はバーチャルの V ですね。登場した当初は、特殊技能を持つ一部の人にしか扱えませんでしたが、最近は、ソフトが発達して素人でも製作することが容易になっているようで、「V チューバー 作り方」などで検索すると色々情報が出てきます。
フリーソフトでも結構作れそうだったので、「雛乃木まや」でせいめい望遠鏡紹介動画を作ってみました。





このアバターはキーボードで動かせるので、特別な機材なしで簡単に扱えるのがいいのですが、表情14種類と動き10種類の組み合わせでしか動けないので、まあ、入門編と言ったレベルでしょう。一連の動きをタイミング良くキーを押して何度か練習しないといけないのですが、動きをコマンドファイルで読み込めれば希望の動きが失敗無くできるのにな、と感じました。現状では上記程度の短い動画であれば問題ありませんが、1分を超えるものの場合、かなりの訓練を積まないと成功しないでしょう。
ちなみに、上記の動画は文字などは gimp、全体の合成は aviutl100 という全てフリーソフトだけで製作してありますので、時間さえあれば誰でもこの程度のものは作れる世の中になったという訳です。

ところで、上記が入門編であるなら、中級編、上級編は何かというと、中級編はモーションキャプチャで体の動きや顔の表情を取り込んでアバターを動かすもので、最近のスマホのコマーシャルでも流れていたやつです。顔の動きだけであれば、2次元情報で何とかなるのでカメラ情報だけで大丈夫なのですが、体の動きは3次元の情報が必要になるので、かなり高い専用器具が必要になります。
上級編は、顔にもセンサを付けて表情と動きの両方を再現するもので、ここまでくるとかなりの投資が必要になるのではないかと思われますが、チューバーは最終的にはここに行きつくのではないかと思われます。名人級では、更に声優を雇って声を吹き替えさせますので、もっとお金がかかりますね(吹き替えせずにおっさん声でギャップを楽しんでいる V チューバーもいるようですが...)

チューバーの使うアバターは特注で製作されており、そこにも結構先行投資しているのではないかと思われます。また、アバターをタレントのように売り出す商売もあるようで、アニメ制作の技術とプログラミング能力があれば結構ネット上で商売ができるのでないかと推察されます。そのうち、人間だけでなく動物や宇宙人のアバターも出てくるでしょうし、3D 写真から簡単に 3D アバターも作れるようになったり、超人的な動きのできるアスリートの 3D モーションデータが入手できたりするようになると思いますので、ますます V チューバーは爆発的に増加すると思います。

ところで、私は今回調べて実際に作ってどんなものか大体理解したので、これだけで満足してしまいました。毎回の締め切りに追われて、アバターで動画を作るなんてのは想像するだけで疲れちゃいますね...



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ところで、いつもの演奏会宣伝です。
今回はびわこアーベントロート合唱団という大津の団体と合同演奏会を行います。長い曲ですが、興味ある方はどうぞ。

20181021()
@びわこホール
びわこアーベントロート合唱団
京都混声合唱団
合同演奏会

J.S.バッハ作曲
マタイ受難曲




チケットなどの情報は<京都混声合唱団ホームページをご覧下さい。

2018年8月24日金曜日

火星大接近天体観望会@京大吉田南グラウンド:私家版顛末記


627日のブログで野上君が宣伝していた観望会の様子を、私の経験した範囲内で紹介しようと思う。
731日―82日の3日間、19時頃から21時頃にかけて京大の吉田グラウンドで観望会が開催された。附属天文台主催で、宇宙物理学教室、NPO法人花山星空ネットワーク、花山天文台の将来を考える会、京都大学宇宙総合学研究ユニットの共催だが、京大天文同好会の協力もあった。(場所を貸してくださった京大野球部にも感謝。)皆さんのご協力で望遠鏡は毎日10台近く出て盛況であった。観望だけでなく、ミニ講演も1日に4回行い、火星や惑星の紹介もあった。
731日は火星大接近の日だったが、20時をまわらないと高度も低くグラウンドからみてもまだあまり高くない。しかし、この期間は、19時頃にはまだ金星が宵の明星として輝いており、望遠鏡で見ると半月のような形に見え、びっくりする人も。更にその東側にはこれまた明るく輝く木星が。縞模様を見て多くの人が感動。ガリレオ衛星の解説を聞いて、ふーん、と感心する人も。更にその東側にはやや暗いものの土星が輝いており、これも望遠鏡で輪が見えて、喜んでいる人が多かった。なかには土星の衛星を見つけた人もいた。土星だけでなく木星の人気が高かったのは意外(?)だった。そうこうするうちに、火星がよい高さになってくるので、いよいよ待望のご対面となるわけだが、火星では、少し前から砂嵐が発生していて、模様があまりよく見えない時期であった。しかし、砂嵐も火星名物であり、それはそれでよい思い出になったのではないかと(勝手に)思っている。このように火星に限らず多くの惑星を見ることができてよかったのではないかと思う。
観望会開催前には、一体何人位が参加するのか?ちょっとでは寂しいけど、いっぱいだと望遠鏡等が足りないだろうし、と心配していたが、結局、来られた方は、731日(火)(火星大接近の日)には600名(カウンターで勘定しているのでかなりの精度)、81日(水)は460名、82日(木)は270名とだんだん減ってきたが(最終日は天気が少し悪かった)、合計約1300名となかなかの盛況だったと言えよう。望遠鏡には、多い時には10人程度の列ができていた。(少ない時には待ち時間なし。)夏休み前半のためか、小学生等小さなお子さんが多く、親子で感動されている方が多かったように見受けられた。また、小さな子供たちは盛んに素朴な質問をして、その関心の高さにも圧倒された。
最後に一つとてもびっくりしたことを。昔(10年くらい前らしい)、岡山の国立天文台の公開日に京都から手伝いに行ったことがあるのだが、その時私の話を聞いたという小学生がナント私の顔を覚えていて声をかけてきた。そして、「その時の話を聞いて頑張って勉強して京大理学部に入りました、3回生になったら宇宙物理に進みたい」とのこと。私は記憶にないのだが(すいません)、こういったことがあると公開・観望会等の一層の励みになる。

太田 2018820



                        観望会の様子(西村昌能氏撮影)



2018年8月10日金曜日

天文教育と天文普及

 数ある学問の中から天文学を選んでよかったな、と今にしてつくづく思う理由の一つに、天文学は社会(一般市民)との距離が近い学問ということがあげられます。
 天文学と社会をつなぐ接点「天文教育・普及」活動に関する全国規模の研究会が、8月5-7日に慶應大学日吉キャンパスにて開かれました。主催は日本天文教育普及研究会(全国の天文研究者、小中高の先生、プラネタリウムや科学館など教育施設スタッフ、天文愛好者からなる団体)です。この研究会では毎回、思いもよらぬ、発想豊かな事例紹介が目白押しで、大きな刺激を受けています。今回も全部で160人超の方々が集まり、朝から深夜に至るまで熱い議論が繰り広げられました。初日にはJAXAの吉川真さんによる「はやぶさ2」の特別講演があり、また間瀬康文さんによる「はやぶさ実物大模型」の展示もありました(図1)。
 さて、今回の研究会、一つの大きな特徴がありました。初日限定ですが、すべての講演に手話通訳と、UDトーク(音声認識ソフト)を用いた言語情報の文字投影がついたことです。今回の研究会テーマは「みんなで楽しむ天文・宇宙」。宇宙や天文に興味をもち、もっと知りたい、もっと学びたいと思うことは障害のあるなしに関係ありません。しかしながら、音声情報を取り入れることが難しい聴覚障害者にとって、手話通訳などの情報保障がない会合には出席しづらいのです。そこで今回、本庄谷拓さんほか関係者の多大な協力を得まして、1日だけですが手話とUDトークを導入しました。
 今回、10人弱の視覚障害者・聴覚障害者の参加がありました。私は天文用語の手話表現をテーマに発表をしたのですが(内容はいずれまた)、参加の盲ろうの(視覚と聴覚に障害がある)方から今後の目標について質問がありました。「プラネタリウムや講演会等で、手話通訳や文字情報投影がごく当たり前になること」と答えました。

嶺重 慎


図1:はやぶさ実物大模型たけとよモデルⅡ
特定非営利活動法人ギガスター 間瀬康文氏提供

2018年7月13日金曜日

日本インドネシア 国交樹立60周年

リーダの長田です。
講義の準備をしているといろいろと新しいことに出会えて本当に驚きます。学生よりも教師の方が勉強になるものだということを痛感し続けています。今日も「赤外線天文学」の講義で調べものをしていたら、Turgot教授という方についてAlan Lightmanが書いた文章に遭遇しました。「ラジアティヴ プロセス」略して「ラジプロ」の略称で知られている「宇宙物理学における輻射過程」という教科書の名著の著者Lightmanです。その文章は彼のエッセーであり、いわく、

Turgot教授は熊みたいで40前後でハゲ始めていて猫背でいつもワイシャツのすそが出ていて、しかし、いわゆるうっかり者の教授ではなくてピントがピタリと合っていて、とは言え、学生に向かってではなくて黒板に向かって講義をして、だけど、だからこそ私は彼を指導教官に選んだのだ(Dance for Two (Pantheon Books, New York, 1996), p.163)。さらに興味深い記述が続きます(今やTurgoやらLightmanやら上記の書名やらで検索すれば少しは読めるという良い時代になったものです、興味のある方はぜひ)。

さて、最近遭遇したのはもう1つ、表題のように、In 2018, Japan and the Republic of Indonesia mark the 60th anniversary of the establishment of diplomatic relations.(これは外務省のウェブサイトから。日本インドネシア国交樹立60周年記念事業の募集なんてのもやっているのですが、今から何かに応募するのはむりでしょうねえ)でした。さらに、たどって行くと、

元AKB48で昨年12月にJKT48を卒業して、インドネシアでタレントとして活躍中の仲川遥香(25)が15日、「世界で最も影響力のあるツイッターアカウント」調査の女性の部で、昨年に続いて世界7位にランクインした。(これは日刊スポーツ[2017年11月15日20時0分]の記事のサイトから)というのもありました!

書くネタがなくて、実践ビジネス英語を聞いていたら、1つ取ってくれば盗作だけどたくさん引っ張ってくれば研究だ(そのNHK番組では1938のWilson Mizner の When you take stuff from one writer,it's plagiarism.  When you take it from many writers, it's research.をヘザーさんがおっしゃってました。どうやらたくさんのバージョンがあるようですが。)とあったので、そうだ!と、たくさん書き連ねてみました。どれも私には新鮮な内容でした!!


この日本インドネシア国交樹立60周年記念ロゴを使うにはいろいろ条件があるようで、ここでも、ここまで全部コピーすれば良いだろうと・・・。

2018年6月27日水曜日

火星大接近天体観望会@花山天文台&京大吉田南グラウンド

こんにちは。
広報・サイエンス担当の野上です。 

7月31日(火)は何の日かご存知でしょうか?
雑学ネタ帳・今日は何の日というHPによると、7月31日はパラグライダー記念日、蓄音機の日、クールジャパンの日、トゥインクルレースの日、菜の日となっています。それぞれに興味深いものがありますが、天文好きにとっては別のことが頭に浮かびますよね?

そう、7月31日(火)は火星大接近の日です!公転の関係で地球と火星はだいたい2年ちょっとおきくらいに近づきますが、それぞれの公転軌道が楕円形をしているため、一口に「近づいている」と言っても距離には大きな差があります。国立天文台のウェブサイトの中の「火星とは」というページをたどっていくと、2018年7月31日には火星と地球の距離が5,759万kmとなり、視直径は24.3秒角で-2.8等の明るさになるそうです。
この夜は金星、火星、木星、土星を一晩で見ることができるのですが、さすがに金星には負けるものの、木星よりも明るく見えることになります。
2012年3月6日にもその前後1年の間では最も火星と地球が近づいていることになっていますが、そのときは距離が10,078万kmと今年の2倍近く遠く、視直径が13.9秒角、明るさが-1.2等というので、ずいぶん差があることがわかります。

さて火星が2003年以来15年ぶりくらいの明るさになる今回、宮本正太郎・第3代台長が火星研究で大成果を挙げた花山天文台としては観望会を行わないわけにはいきません!7月31日(火)と8月3日(金)に火星大接近天体観望会を行ないます。宮本さんが実際に使った花山の45cm屈折望遠鏡で、あなたも火星を見てみませんか?45cm屈折望遠鏡以外でも、小型望遠鏡を出して木星や土星の観望も行ないます。
また、宮本さんが挙げた成果を中心に解説する講演も今の台長である柴田さんが行ないます。ご興味を持たれた方は、京都市観光協会のホームページからお申し込みください。
中学生以上4,800円、小学生3,800円の料金をいただきますが、その多くは花山天文台の運営費にあてられますので、どうかご協力をお願いします。

また、より多くの方と一緒に火星他の天体観望を楽しみましょうということで、7月31日(火)、8月1日(水)、8月2日(木)には京都大学吉田南グラウンドでも観望会を行ないます。こちらは参加費無料で事前申し込みも不要です。
友人知人ご家族をお誘いの上、どうぞお気軽にご参加ください。

写真はNASAで公開されている、ハッブル宇宙望遠鏡で観測した火星と、火星探査機マーズ・パスファインダーが撮影した火星表面です。
さて地上から見た火星はどのように見えるでしょうか?
花山天文台、あるいは吉田南グラウンドで確かめてみてください!

2018年6月8日金曜日

飛行機雲

 少年野球をやっていたころ、走塁練習で監督が打ったことに気づかず雲を眺めていたら思いっきりケツバンされたことを覚えているプロマネの栗田です。

 今でこそカメラ付き携帯があるので、面白い雲を見つけたときに写真に収めることができますが、かつてはそうはいきませんでしたよね。ちなみに一番のお気に入りは以下の写真です。南アフリカの観測所から撮影したカナトコ雲です。青空に沸き立つ雲が成層圏で水平に広がり、しばらくすると日没になり頂部だけが夕日で赤く染まりました(つまり赤くない部分は地球の影に入っています)。




 6月1日、せいめい望遠鏡のメンテナンスのために岡山天文台に行った時も面白い雲を見つけました。青空の一角に複数の飛行機雲が短く密集していました。とても印象的で、旅客機でこんなことが起こるだろうか、と不思議でした。同行していたミリタリーにも明るい木野氏に報告すると、もしかするとブルーインパルス(自衛隊の曲芸飛行隊)かもしれない、とのことでした。確かに6/3に山口県の防府でフェスがあるようで、ホームベースの松山から移動の際の一幕だったのかもしれません。




 飛行機雲の数は7本確認できます。ブルーインパルスの編隊は6機だけれども予備機が1機あるらしい。しかも移動中もしっかり編隊を組んで飛ぶらしい。偶然の重ね合わせや自然現象なら面白かったのだけど、きっとこれも相当珍しい(ドクターイエローよりずっと珍しい)だろうから得した気分になっておくことにしました。

 まぁ、こんなに短い飛行機雲を見ることも初めてです。飛行機が急激に高度を変えて冷たい空気の層を短距離で突っ切ったのか、まさかここで演技用のスモークを出したのか。。数分後には輪郭もぼやけてしまいました。



※飛行機雲ができる条件(水蒸気の過冷却または飽和状態)がギリギリの状態では出来てもすぐに消えるため、尾っぽの短い飛行機雲となります。これは時折見かけますが、空に取り残された短い飛行機雲は記憶にありません。同様に珍しい飛行機雲として、薄い雲を切り裂いたものもあります(雲を作ってないので飛行機雲と言えないかもしれませんが)。 



2018年6月1日金曜日

きょうとの505

 惑星観測装置担当の山本です。

 唐突ですが、PHP研究所より『[決定版] 京都の寺社505を歩く(https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=4-569-69247-8)』という新書が上下巻で出版されています。タイトルの通り、京都を12のエリアに分け、計505もの寺社の来歴、見所、所感などが紹介されています。「せっかく京都に住むのだから、一般的な観光名所くらいは廻っておきたい」と思い、京都へ赴任する際に購入した本のうちの1冊(1部)です。健康のために、と5年ほど前に自転車通学から徒歩通学に替えて以来、散歩・散策にハマっており、また、それ以前にもなんとなく頂いた御朱印帳が持ち腐れ状態でしたので、これらを生かし切れるような、なかなか都合の良い本だと思っておりました。

 ただ、505というのはなかなかな数字で、初めのうちは本当にただ「参拝した寺社のことが詳しく分かればいいや」くらいの心持ちで、まさか「すべて廻りきろう」等という事は考えておりませんでした。実際、京都へ来る前から知っていたような超有名な寺社を廻ってみたところで10,20の寺社であり、その数十倍の寺社があると思うと、とてもすべて訪問、は現実的な考えには思えませんでした。


白円で囲まれた丸印が「京都洛北・森と水の会」洛北30社(地図では26社)。
貴船・鞍馬、大原、上賀茂・下鴨神社、曼殊院などが対象。


 とはいえ、時間が経つと積み重なるものがあります。最初の切っ掛けは、修学院の辺りをフラフラしていた時に参拝した鷺森神社で受け取った、「京都洛北・森と水の会」の企画パンフレットでした。この企画は、会員の社寺でご朱印を受ける毎にパンフレットに印を頂き、10個溜まると特製コースターを1つ頂けるというもので、総数30の寺社が参加していました。最初の10個は下鴨神社、上賀茂神社、八大神社、曼殊院など、京都市街からもアクセスし(徒歩で行き)やすい寺社でしたので、すぐ達成できました。しかし山を越えた寺社も多くあるので「ここらからさらに20個は流石にキツいな」と思い、あまり進行しませんでした。しかし大原や鞍馬に行ってみると又一気に印が増えるので20個も達成してしまいます。ここまで来てしまうとなんとか残り10個を、と欲が出てきてしまい、岩倉辺りを休日毎にまわって結局、足かけ3年で達成することが出来ました。


「京都洛北・森と水の会」スタンプ台紙と記念品コースター。
廻りきるのが遅かったためコースター全種コンプリートは出来ず。


 この頃になると、『505』の上巻が紹介している寺社に、だいたい参拝していることに気付くようになります。上巻は東山から左京区、そして上京区あたりの、比較的アクセスし(徒歩で行き)やすい寺社が紹介されており、未訪問の寺社が数十程度になっていました。こうなってくると「せめて上巻の寺社を……」と思ってしまい、実際(左京区の北の端にある峰定寺を除いて)上巻をコンプリートすることが出来てしまいました。


『505』で紹介されている京都市街の寺社。
色付き円が訪問済み、白円が未訪問。地図中央右の大赤円が二条城、
右上大赤円が京都大学、右下大赤円が京都駅、左大赤円が渡月橋。


 こうなってくると……、後はおわかりですね? 

 寺社をぐるぐる廻るようになって、1つ自分に課したルールがありました。それは先ほどからチラチラと仄めかしているように、「徒歩で行く」と言うことです。最初のうちは単に健康のため、と言うのと交通費の節約というような意味しかなかったのですが、だんだんと別の意味を持つようになってきました。京都は古い都です。今のような交通手段がない時代から、いろいろな人がいろいろな思惑を持って、京都を行ったり来たりしていたことが、様々な旧跡を巡ることで分かってきました。あの場所から此の場所までどれくらいかかり、どれくらい疲れて、どういった景色が目に入るのか。今みえている現代の京都の街並みと、過去の都の町並みとでどう違っていて、どう同じなんだろうか。そういう感覚がとても楽しくおもうのです。

 とは言っても、毎回自宅から移動していては、移動だけで1日が終わってしまうので、以前歩いたところまでは交通機関で行ってもよいルールも追加しています。


伏見、宇治、乙訓などを含んだ地図。凡例は上に同じ。


 しかしながら、下巻は郊外の寺社が多く、また徒歩はおろか交通機関を利用してもなかなか到達が難しい寺社が多く控えています。愛宕神社のように1000m級の登山が必要なものや、大阪・奈良との境に近い、非常に遠い寺社などです。


『505』で紹介される寺社の全景。


 しかし、現在までに訪問達成率は85%ほどまできています。出来るところまで、やっていければと思います。

 さて、最後に自分の仕事などに引き付けたまとめなどさせて頂ければ、「可視化が大事」と言うことでしょうか。計画がどれくらい進捗しているのか、全体のどれくらいの位置にいるのか、不足を解消するためには何が必要なのか。こうした調査、検討は研究の世界でも重要な仕事の1つです。学問という大きな世界で言っても、何が分かっていて、何が分かっておらず、何が分かれば、世界の謎を解明することが出来るのか………。

 人へ説明・紹介するときだけでなく、自分で考えるときでも、可視化は大きな力を持っていることが多いです。現在開発している惑星撮像装置がきちんと「せいめい望遠鏡」に搭載され、目標が達成されるよう、きちんとまとめていきたいと思います。



それでは!