2013年8月30日金曜日

お茶


プロマネの栗田です。
 
7月下旬、H7N9新型インフルエンザによる渡航注意喚起が明けた直後の中国、雲南にゆき、東アジア中核天文台連合(EACOA)による「中口径望遠鏡によるサイエンスワークショップ」で私たちの望遠鏡計画の発表をしてきました。前後の予定が詰まっていたので、会場のホテルに深夜2時に到着、その日に発表、翌朝5時にホテルを発つという、いわゆる弾丸ツアーでした。

発表後には中国や韓国の天文学者から望遠鏡の技術に関して活発な質問があり、当計画への関心と期待をつよく感じました。また久しぶりに再会できた研究者らに挨拶ができて短いながらも充実した時間を過ごせました。

話は変わりますが、ホテルのロビーでお茶を頂いたのですが、その価格の違いに驚きました。一番安いお茶は一杯100円程なのですが、もっとも高いものはなんと1万円程度するのです!ホテルの宿泊料金が4千円くらいなので、どれほどおいしいのか気になるところです。さすがお茶の国、中国です。ずいぶん昔、世界ふしぎ発見で、雲南省がお茶の原産地だとミステリーハンターが説明していた気がします。では。

 

2013年8月8日木曜日

息抜き!


鏡製作担当の高橋です。
  3.8m望遠鏡関係者でお送りしておりますこのブログ、テーマは「なんでもあり」です。ということで、今回は遊びに行ったお話から。

以前のブログで話に出した白川郷よりも東側、北アルプスの槍ヶ岳に登ってきました。他府県よりお越しの方は出発時刻がどうしても遅くなってしまうので、2泊3日で登られるのが通常コースのようですが、岐阜に住んでいる私は早朝から出発することが可能で、運よく天候にも恵まれたため1泊2日の日程で往復することが出来ました。途中の山小屋の水がおいしいとか、珍しい動物に出会えたことなど、色々と楽しみがありましたが、一番はやはり景色です。
特に山頂付近、視界が開けてからの景色はまさに絶景。初心者の私は既にヘロヘロでしたが、一歩を踏み出す力になりました。
そして、山頂。少し遅い時間に到着したためかガスが多く、周りの山々はあまり見えませんでしたが、代わりに珍しい現象を目にすることが出来ました。
「ブロッケン現象」。雲に自分の影が写り、周りに虹が見えるこの現象、生まれて初めて見ました。カメラの性能と腕前に限界がありますが、比較的よくとれた1枚をお見せします。両手を挙げている姿が分かりますか?
 光の不思議な現象、ということで、何とか望遠鏡にこじつけて終われないものか、うーん。無理でした。

今回はやはり、「こんなリフレッシュをしてきました!」というお話で終わります。心機一転、頑張ります。



2013年8月5日月曜日

京都3.8m望遠鏡とTMT


  皆様、こんにちは。
観測装置担当の松尾です。
 
 7/21-22にハワイで開かれたTMTサイエンスフォーラムに参加してきました。今日は、京都3.8m望遠鏡とTMTの関係についてお話したいと思います。TMTとは、Thirty Meter Telescopeの略で直訳すると30m望遠鏡です。すばる望遠鏡のように一枚鏡ではなく、492枚の鏡を一枚鏡のように制御して30mを実現します。30m望遠鏡は、すばる望遠鏡に続く次世代の大型望遠鏡として活躍が期待されており、日本だけでなくアメリカ、カナダ、中国、インドが参加予定です。TMTフォーラムには、総勢100名を超える各国の研究者が参加して、TMTが目指すべきサイエンスについて議論されました。
http://conference.ipac.caltech.edu/tmtsf

 日本は、主鏡、望遠鏡構造を始めとして、TMTにおける重要な役割を担っています。その一方で、国際的な大型プロジェクトなので専門家および企業が中心となって進めており、次世代の研究者を育てることが難しい現状にあります。そこで、大学の出番です。京都3.8m望遠鏡は、TMTと同じ分割式望遠鏡で、それを構成するひとつひとつの要素技術はTMTにつながるものになっています。また、それに搭載する観測装置も同様です。私たちの望遠鏡や観測装置の開発は、日々の試行錯誤から良い装置を作っていきます。これらの経験は、大学院生の成長につながります。これは、TMTのような大型プロジェクトでは許されることではありませんが、京都3.8m望遠鏡だからこそできるのです。

 TMTを担う次世代の研究者、将来の日本の物作りを支える技術者を京都3.8m望遠鏡の開発を通して輩出できるように頑張っていきたいと思います。