2015年3月26日木曜日

望遠鏡の近況

制御担当の木野です。

3.8望遠鏡の開発関係者が記しているこのblogですが、肝心の望遠鏡に関する書き込みがあまり無いですね。でも決してサボっているわけではなくて開発は着々と進んでいます。

まず昨年の11月末には望遠鏡を仮設置する建屋が岡山天体物理観測所に隣接する博物館の駐車場に完成しました。それと、ここではまだ誰も書いていませんが、最終的に望遠鏡を設置する本ドームの予算が1月に内定しました(某大臣の献金問題などで国会での審議が進んでいませんが…)

望遠鏡本体の方は、名古屋大学の構内で仮組みしてあった鏡筒と高度軸を22日に仮ドームへ搬入。残りの方位軸構造や鏡を支える細かな部品も2月末から3月にかけて搬入し組み立てました。大型部品が組み立てられたので望遠鏡らしい姿になってきました。下の写真は317日時点の望遠鏡で、架台構造はほぼ組み上がり、分割主鏡を支持・駆動する部品の取り付けている途中です。
作業の様子は3.8m望遠鏡のWebページや、岡山天文博物館のfacebookに掲載されていますので興味がある方はご覧下さい。

今後は分割主鏡の結像性能の試験、架台の駆動軸や分割鏡の制御装置など可動部分の精密な測定・調整といった作業が予定されています。平行して建設される予定の本ドームが完成した後に望遠鏡を移設し、順調に行けば23年後に本格観測を始める予定です。




【画像】
仮の建屋で組立途中の3.8m望遠鏡。オレンジ色の骨組み部分が鏡筒で下部に主鏡、上部にある黒色の六角形部分に副鏡が取り付けられる。鏡筒左右の灰色の台の上に観測装置が載る。写真の左端に写っているのは国立天文台岡山天体物理観測所の1.88m望遠鏡のドーム。




2015年3月6日金曜日

Le Penseur(考える人)

プロマネの栗田です。

先日、京都国立博物館に行ってきました。前庭で久しぶりにロダンの「考える人」を観ました。最初に「考える人」に会ったのは中学生のころで、静岡県立美術館でした。Wikipediaによると、こちらは死後の鋳造で京都国立博物館のものはオリジナルのひとつだそうです。

芸術には疎い僕ですが、「考える人」をみるといつもつくづく「よーく考えてるなぁ」と想います。で、高校生の時になぜそう見えるか僕なりに「考えた」結果たどり着いた答えがあの右ひじの置き場所です。記憶を辿って「考える人」のポーズを実践してみると右ひじは右ひざの上に来てしまいます。どうしても右ひじは左ひざの上に自然と来ません。やってみるとわかるのですが、かなり窮屈です。

「考える人」はこどもでも「よーく考えている人」に見えます。また不思議なことに悩んでいるようには見えません。これは僕の妄想なのですが、ロダンの凄いところはこういう体の動きの演出も巧みだったのではないかと思います。余談ですが、今回「考える人」の左足親指が反りあがっているのをみて、ますます深いなぁと思ってしまいました。


ちなみに、京都でよーく考えているお方と言えば、広隆寺の半跏思惟像です。こちらは実に自然に慈悲深くお考えになっておられます。双方の考える内容が異なるので異なるポーズになった気がします。





Wikipediaより