2019年7月12日金曜日

宇宙はロマンチック

 リーダの長田です。
 
 7月8日、向日が丘支援学校に七夕授業に行って来ました。京都府教育委員会との連携の取り組みでもあります。小中高の児童生徒が何年かに1度ぐらい大学教員から話を聞くのは良いことでしょうが、それだけでなく、こういう支援学校でも宇宙の話を、というのは意義があるなあと思いました。

 中学部には40名強の生徒がいますが、そのうちあまり支援を必要としない子どもたち15名の前で、ベガやアルタイルについて話してきました。たなばたって、中国の天女伝説のような牛郎織女の話や織姫彦星の話や、さらに日本の棚機つ女に中国から伝わった乞巧奠(きこうでん)の話など、それはそれは興味深いのです。ですけれど、「僕は豆腐屋だから豆腐しか作れない」ので、アルタイルという星がいかに速く回っているか(何と9時間で1回転、太陽よりも大きいのに太陽よりも何十倍も短い周期!)、そしてどれだけ遠くにあるか(いまアルタイルで何かが起こってもその光が届くのは17年後)、そして暗い星はもっともっと遠くにあって宇宙はどれだけ広いのか、そして天文学がいかにそれを明らかにしたのか(赤外線で干渉計を用いて・・・とまでは説明できなかったけど)を熱弁してきました。熱意が通じたのか、「先生はどの星が一番好きですか」という質問も出ました!

 さて私はNHK-FMの「きらクラ!」という番組を録音して聞いています。長岡天神からの阪急に乗ってそれを聞きつつ「スピノザの世界」という講談社の新書を読んでいたら、「南の島の大王は・・・ロマンチックな王様で・・・星のすべてが彼の夢」という歌が流れてきました。いつもなら、ひねくれ者の私は「なんで『ロマンチック』と星やねん?」と思うのですが、モーツァルトのフルート四重曲第1番K.285の第2主題がハメハメハだと言ったという2歳の女の子の話を聞きながらランパル・スターン・アッカルド・ロストロポービッチの4人の演奏にうっとりとしたのでありました。

 そして風のすべてが彼の歌、星のすべてが彼の夢というのはスピノザの「エチカ」に書かれていることそのものではないだろうかと感心しました。さらに、その「きらクラ!」の次の話題は、の大分県の特別支援学校の校長先生による「記憶力が人並外れて鋭い中学部の生徒から、御誕生日おめでとうと言われた」という話題だったのでした。

 かつてユングのシンクロニシティでもボース・アインシュタイン凝縮(粒子がぽつりぽつりと来ずに、かたまって来ること)でもないだろう、と書きましたが、凝縮が起こった7月8日でした。





 向日が丘支援学校の先生からは、「ホントに宇宙の研究を楽しんでなさっているんだなあと、生徒にも良く伝わったと思います」と言っていただけました。ええ、宇宙はロマンチックです。