2013年1月18日金曜日

2012/1/18


観測装置担当の松尾です。

最近、岡山県浅口市の中学校に出前授業をしてきました。岡山県浅口市は、国立天文台の岡山天体物理観測所があるところで、50年以上にわたって日本の天文学を引っ張ってきました。京大3.8m望遠鏡は、その観測所内に建設予定で、後継機として活躍が期待されています。今回はこのようなご縁があって、浅口市教育委員会の企画のもと、中学校での出前授業という貴重な経験をさせていただきました。

今回の出前授業では、私が専門の「太陽系外惑星(太陽と同じ恒星を周回する惑星)」の話をしました。この太陽系外惑星という分野は、現在は天文学・地球惑星科学の分野に留まっておりますが、将来的には「宇宙生命」を通して化学・生命学という大きな広がりをもった学問です。宇宙生命といっても、私たちの知っている「生命」は地球上の生命だけです。そこで、宇宙生命の発見に向けた科学的なアプローチとして、まず「地球のような惑星(例えば、地球生命に欠かせない水をもち、また海や陸をもつ惑星)」を発見し、その中から「生命を宿す惑星」を詳しく調べて「生命の痕跡」を発見することになります。出前授業では、太陽系の惑星を出発点として、太陽系外惑星の現状、そして将来の宇宙生命探査への取り組みのお話をしました。授業が進むにつれて、宇宙に生命がいるかもしれないという「期待」と、それが近い将来に分かるかもしれないという「興奮」が生徒からひしひしと伝わってきました。生徒の反応を生で感じることが出来て、とても良かったです。

最後になりますが、小学校−中学校−高校、そして大学が連携して、子どもが「夢」や「目標」をもてるような教育を行なうことが大事だと感じました。そのためには、最先端の研究をしている人間が大学だけでなく、小中高の教育現場に足を運んで、教科書で学べない「新鮮なこと」を直接伝えることが必要です。私は、京大3.8m望遠鏡を使って、まだ見ぬ「新しい世界」を開拓し、それが子どもたちの刺激になるように頑張りたいと思います。

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