2016年5月13日金曜日

暗い話

こんにちはプロマネの栗田です。
現在ドーム建設予定地では順調に工事が進んでいますが、ドーム周辺の照明設備について検討を進めています。というのも常識的には人の往来や緊急時のことを考えると照明をつけることになるのですが、かすかな星からの光を観測するにはできるだけ暗い夜空が大切になり、それに対して街灯を含めた人工的な光は天敵となってしまうからです。

というわけで、今回は天文学者たちがどんな工夫をして人工的な光を使わないように、もしくは外に漏らさないようにしているかの裏舞台を箇条書きで紹介いたします。

・施設内の窓にはすべて遮光カーテンが施されています。普通のカーテンと違って結構厚くて重たいです。
・通常時は廊下などの明かりも消えていて真っ暗です。懐中電灯なしでの宿舎での移動は慣れるまでは怖いですね。
・玄関のドアは2重扉だったりします。映画館の入り口のようにガラス張りでないドアが2重になっていている構造の施設もあります。
・観測者に貸し出す鍵には小さなLEDのキーホルダがついていたりします。観測者が暗闇の中でもカギ穴を見つけやすくするためです。
・道路は真っ暗で路側帯に白線が塗られていたりガードレールがあり、月明かりでも目立つようになっています。
・観測所内での車での移動中はハザードランプのみで運転します(これって私有地だとしても道交法に違反してるのかなぁ)。


写真は南アフリカのサザーランドにある望遠鏡ドームを長時間露出で撮影したものです。ドームから天頂に向かって縦に延びる淡い部分は天の川で、星々の円弧の中心が天の南極です。昼間に天の川!?と見えるのは月明かりで照らされたドームや大地を長時間露出で撮影したためです。ドームの右手に伸びる影は日陰ならぬ月影です。この写真からも人工的な光源がほとんど無いことが分かると思います(いや、ドーム内の観測装置の赤と靑の発光ダイオードがかなり強烈に光ってますね。。失礼いたしました。。)。





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