広報担当の野上です。
「学校の先生は夏休みがあっていいなあ。」というような話を耳にすることがあります。しかし、知り合いの中学校、高校の先生に話を聞くと、様々な研修や部活の指導などがあり、そんなに単純な話ではないようです。
それで大学の教員はというと、やっぱりここぞとばかりに研究会、会議、実習などが増えます。もちろん自身の研究や大学院生の指導は夏休みなどありませんから、講義のある期間中とは別の忙しさがあります。
私の場合はこの夏休みで2件の国際会議に出席してきました。一つ目は8月3日から14日にハワイで開催された国際天文連合総会(International Astronomical Union General Assembly)です。総会期間中には天文学全体に関わる重要な議論(2006年には、冥王星が準惑星という分類になるというのが、ここでの喧々諤々の議論の末に決定されました)や様々な事務協議などの他に、重要な研究を推進した方の招待講演、多数の分科会・シンポジウムなどがあり、今回は世界中から3000名くらいの天文学関係者が集まったそうです。
このIAU総会では、私は前回のブログ記事を書かれた柴田さんと共に、Solar and
Stellar Flares and Their Effects on Planets というシンポジウムに参加しました。柴田さんは基調講演(Plenary talk; これはシンポジウム参加者だけでなく総会全体に公開されます)を行い、私は招待講演を行いました。3.8m望遠鏡でのメインサイエンスの一つ、スーパーフレアについての講演です。
講演は気分よく始めたのですが、ここでトラブルが発生。招待講演は持ち時間が20分(発表15分+質疑応答5分が目安)で一般講演は12分(発表9分+質疑応答3分が目安)なのですが、座長の方が一般講演と勘違いしていたらしく、半分くらい話したところで、「あと2分」という座長からの指示が目に入りました!思わず「Oh, really?」かなんか言いながら、短いなあと思いつつ用意したスライドを少し飛ばしたりして一応無事終了。あとで座長の方と話してみると、勘違いを認めて、こちらが恐縮してしまうほど謝ってくれました。こういうこともあるんですね。
そんなこんなもありつつ、太陽フレアとスーパーフレアの共通点や相違点や惑星へのフレアの影響について多数の発表があり、世界的にスーパーフレア研究の重要性の認識が高まっているなあと感じるシンポジウムでした。
もう一つの国際会議は、The
Golden Age of Cataclysic Variables and Related Objects
IIIというもので、9月7日から12日にイタリアのシチリア島で行われました。やはり3.8m望遠鏡でのメインサイエンスの一つである「突発天体」の範疇に含まれる、激変星やX線連星に関する研究会です。今回は強磁場激変星や
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