2013年8月5日月曜日

京都3.8m望遠鏡とTMT


  皆様、こんにちは。
観測装置担当の松尾です。
 
 7/21-22にハワイで開かれたTMTサイエンスフォーラムに参加してきました。今日は、京都3.8m望遠鏡とTMTの関係についてお話したいと思います。TMTとは、Thirty Meter Telescopeの略で直訳すると30m望遠鏡です。すばる望遠鏡のように一枚鏡ではなく、492枚の鏡を一枚鏡のように制御して30mを実現します。30m望遠鏡は、すばる望遠鏡に続く次世代の大型望遠鏡として活躍が期待されており、日本だけでなくアメリカ、カナダ、中国、インドが参加予定です。TMTフォーラムには、総勢100名を超える各国の研究者が参加して、TMTが目指すべきサイエンスについて議論されました。
http://conference.ipac.caltech.edu/tmtsf

 日本は、主鏡、望遠鏡構造を始めとして、TMTにおける重要な役割を担っています。その一方で、国際的な大型プロジェクトなので専門家および企業が中心となって進めており、次世代の研究者を育てることが難しい現状にあります。そこで、大学の出番です。京都3.8m望遠鏡は、TMTと同じ分割式望遠鏡で、それを構成するひとつひとつの要素技術はTMTにつながるものになっています。また、それに搭載する観測装置も同様です。私たちの望遠鏡や観測装置の開発は、日々の試行錯誤から良い装置を作っていきます。これらの経験は、大学院生の成長につながります。これは、TMTのような大型プロジェクトでは許されることではありませんが、京都3.8m望遠鏡だからこそできるのです。

 TMTを担う次世代の研究者、将来の日本の物作りを支える技術者を京都3.8m望遠鏡の開発を通して輩出できるように頑張っていきたいと思います。

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