2013年9月20日金曜日

3D立体プリンターを買いました!


 今はやりの3D立体プリンタを買いました。
 何が目的かというと、土星や銀河系の立体模型をつくるためにです。つくってどうするのかと言いますと、視覚障害者のための学習教材として活用します。
 ここ数年、私は点字・点図(点字の点で表現した触る図)の天文学習教材を製作して、盲学校などで出前授業をしています。そこで問題となったのは「立体表現」です。土星がいい例です。土星を図にすると、丸い本体に、細長い楕円がくっついています。見ることになれている人(晴眼者)は、そうは思いません。「環が球を取り囲んでいる」とすぐに理解できます。が、生まれながらに目の見えない人には、わかりません。実際、盲学校の出前授業で、土星の環についてことばで説明した後、「土星はどういう形をしていますか」と確認テストをすると、「円から楕円が飛び出している」という解答を得て、がっくりしました。これは何とかしないといけない、立体模型をつくろう、となりました。
 今、頭を悩ませているのは、土星の本体と環を、どうくっつけるか?
 土星本体と環は、つかず離れず、微妙な関係を保って、宙に浮いています。それをどう地上で実現するか。「透明な棒で支えればよい」はバツ。視覚障害者に色は区別できません。「磁石でくっつける」、これもうまくいきそうにない。「天井から糸でつりさげる」、うーーん、持ち運びが不便だ。ということで、土星本体と環の間につっかい棒を入れるしかないかも。妙案をお持ちの方はおしえてください。
 今後ですが、アンモナイトや三葉虫の化石の模型はぜひつくりたい(そんなもの売っている、なんて、夢の無いことを言ってはいけません。)ゆくゆくは、3.8m望遠鏡の「手のひらにのる」模型をつくって、あちらこちらに展示をしたいと考えています。幸い、学生さん3人が興味をもってくれて、さっそく作業しています。皆様の前で公開できるかどうか、学生さんのがんばり次第です。

嶺重 慎




                        画像:5階実験室にある3Dプリンタの実物

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