2014年5月9日金曜日

2014/5/9

 制御担当の木野です。

 今は分割鏡をはじめとする望遠鏡の制御システムを作っていますが、以前は分割鏡の形を精密に調べる「CGH干渉計」という測定器を開発していました。
高精度な鏡を作るには欠かせない装置ですが、4年ほど前に開発を終え、特にこの1年は全く出番がありませんでした。
しかし望遠鏡の予算がつき、建設へ向けた準備が進み始めたので、これら計画初期に開発を終えた装置を再び使える状態に整備する必要があります。
長い加工時間を要する分割主鏡の量産は最初に始まるので、それに合わせて近いうちにCGH干渉計の再設置・再調整を予定しています。

 このCGH干渉計はお椀型に凹んだ鏡の球心に置いて使います。
3.8m望遠鏡の場合、鏡から球心までの距離は10mも離れているので、鏡を加工する機械をまたいで高さ10mのタワーを建て、その上にCGH干渉計を置いています。
しかしこの測定タワー、普段はあまり使われないため階段がついておらず、頂上へのアクセス手段は「梯子」のみなのです。

 CGH干渉計は精密な測定器なので、調整にも結構手間がかかります。過去の経験上、設置・調整作業にはおそらく梯子を10往復以上することになるでしょう。
総距離100m以上の垂直移動。30階建の高層ビルに梯子で登るようなもので、デスクワークで鈍った体には結構キツイ。翌日の筋肉痛は確定です。
測定タワーの上に置かれたCGH干渉計(上方の黒い箱)手摺の向こうは高さ10mの空中です。



   

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