2014年8月7日木曜日

ボース・アインシュタイン凝縮?

リーダの長田です。プロの天文学者は、晴れていれば夜な夜な望遠鏡をのぞいて観測していると思われているらしい。だが、これは全くそうではない(この前の前のブログのとおりです)。・・・と書き始めればなんとか書けるかなあと思ったのですが、それというのも、締切の文章が3つもあり、コピペであろうと何であろうと空白を埋めることができれば、との魂胆でした。

その締切の文章の一つは、大阪市立科学館友の会が出してられる「うちゅう」という誌に載せてもらうもので、この3.8m望遠鏡に関する解説記事です。せっかくだから岡山のことから書き始めようと思ったのが運の尽き、私は歴史大好き人間なのでついつい岡山天体物理観測所の50周年記念誌や40周年記念誌を読みふけってしまい、肝心の自分の文章が書けていません。そして、そこに載っている当時の国立天文台長の海部さんの巻頭言には感心しました:「私が『天文月報』を読みはじめた高校時代、その表紙やグラビヤを毎号のように飾っていたのは、岡山の74インチ望遠鏡建設の進捗レポートだった。当時の「岡山」への期待の大きさが、よくわかる。ある意味では、今日のすばる望遠鏡に対する以上の大きな期待が寄せられていたと言ってよいだろう」。

それにしても、このブログも含めてたくさんの文章の締切が重なり、さらに他のいくつかの仕事も7月末から8月初めに集中しています。自分のスケジュールを見て私は「ボース・アインシュタイン凝縮だ!」と口走ったのですが、文系の人にとってはユングのシンクロニシティなのかも知れません。私たちが宇宙の観測をする光というのはまさにこのボース・アインシュタイン凝縮を起こすモノです。電子のように同じ場所・同じ速度・同じ性質で重なると言うことがないモノとは正反対で、どんどんどんどん重なってしまうのです。忙しい人にこそ仕事をお願いしよう、というようなもんです(うーん、こんなことまで書くと「ナポレオン対チャイコフスキー世紀の決戦」っぽくなって来ましたねえ、筒井康隆のような文才はないけど)。

で、最後もコピペで飾ると、1953年に萩原雄祐東京大学東京天文台長がNHKラジオ「やさしい科学」に書かれたという文章が先述の40周年記念誌に載っています:「ヨーロッパとアメリカと日本とは経度で120°ずつへだたっている。ちょうど茶の湯で使う鼎(かなえ)の三脚をなしている。しかも地球は自転しているから、欧米の昼の時に起った天界の現象は、その時夜である日本でないと観測できない。」まさに3.8m望遠鏡の課題の一つですね。





   

写真:727日には、こんな顔をして小学生に望遠鏡の作り方を教えて、工作をしました。一応解説はしたのですけど、翌日にかかって来た電話が、「言われたとおり、月を見る前に、遠くの山を見て練習しているのですが、逆さまに見えてしまいます。何がおかしいのでしょうか。」・・・いや、それで良いのです。私たちの3.8m望遠鏡は第3鏡があるので少し複雑ですが、覗いたら、やっぱり似たようなことになるのですよね。(そして、729日にはまたまた小学生相手に京大の屋上で望遠鏡の解説をしていました。さらに、近々、大学事務職業体験受入とやらで京大の屋上の望遠鏡の見学につき合うことになりそうです。やっぱりボース・アインシュタイン凝縮してます。)



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