2014年8月19日火曜日

宇宙と生命の起源

 今年(2014年)6月に、岩波ジュニア新書777『宇宙と生命の起源2-素粒子から細胞へ』を刊行しました。これは、国立天文台の小久保さんと私の共編著の本です。われわれも含めた総勢12名の一線の研究者が、宇宙、地球、生命の歴史について、わかりやすく解き明かしていきます(ことを目指した本です)。「ジュニア新書」の一冊ではありますが、中身は相当しっかりしています。決してこども向けにレベルを落とした本ではありません。専門用語を不用意に使わない、論理の流れはシンプルに、をモットーに、一般の方も楽しめることを心がけて本づくりをしました。

じつはこの本は、10年前に出した岩波ジュニア新書477『宇宙と生命の起源ービッグバンから人類誕生まで』の続編にあたります。今回は、生命、特に細胞やDNAの記述に重点をおきました。また、素粒子や太陽といった話題にも触れました。思えば、この10年間で、科学は多方面で大きな進展を見せました。たとえば2012年には「質量の起源」であるヒッグス粒子が発見されました。山中伸弥氏がiPS細胞の作製でノーベル賞を受賞したことも記憶に新しいできことです。ほかにも,宇宙最初の星、地球の歴史、DNAでみた生命の進化、人類の起源などについて,新しい研究手法が開発されて研究どんどん進んでいます。私たちはいい時代に生きていることを実感します。同時に、科学と社会の関わりがますます大事になってきた時代とも感じます。

10年後、3.8m望遠鏡が活躍して成果をあげているはずです。その成果をいかに社会の中で位置づけるか、これもわれわれの課題です。

嶺重 慎




岩波ジュニア『宇宙と生命の起源2ー素粒子から細胞へ』



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