2018年2月9日金曜日

Frozen 氷の結晶


プロマネの栗田です。

 寒いですねー。なんでこんなに寒いのだろうと不思議に思います。日常使う摂氏は水が氷る温度で定義されていますが、物理的な意味はありません。むしろ絶対温度に意味があります。0℃は絶対温度で273度で、暖かいなぁと感じる15℃は絶対温度で288度です。その差はわずか5%ほど。なぜ人間はこのわずかな差を大きく感じるのでしょう。(鈍感ならいいのに)。気温の物理的な意味は空気中の分子の速さです。分子が激しく飛び回っていると暖かく、静かになると寒くなります。激しい分子はチクチクと肌を刺激し、静かな分子は優しく刺激するのに。。その分子の速さは0℃で秒速数百メートル程度。温度は速さの2乗に比例するので、分子がたった2%だけ遅く飛び回ると寒く感じるのです。体内が水で満たされているので、0℃付近に敏感なのでしょうか。人間は裸ですからねぇ。寒さの不思議を思うといつも動物園の夏のペンギンや冬のオラウータンを思い出します。ほとんど虐待に見えます。。




  先日、みぞれが降った良く晴れた翌朝、車のフロントガラスにとてもきれいな氷の結晶ができていました。我が家にだけ天から舞い降りた天使の羽か!残念ながらそんなメルヘンな話ではなく、屋根のない駐車場の車のフロントガラスはみなこんな感じでした。
放射冷却で空気中の水蒸気が過冷却状態になり、冷たいフロントガラスに触れ、氷となって張り付いたのですが、どうしてこんな模様を描けるのかが不思議です。自然が芸術家のような絵を描き、またそれが水とは全く関係のなさそうな鳥の羽やシダのような模様となる。

  雪の結晶といえば中谷宇吉郎が有名ですが、朝永とともにノーベル物理学賞を受賞したファインマンの著書から引用したいと思います。「(原子は)互いにくっつき合ってエネルギーができるだけ低くなろうとする。ある原子がエネルギーの低いパターンを見つけたら、ほかの原子も真似をするだろう(ファインマン物理学IVより)」。真似をすることで氷の結晶の様に規則正しい繰り返しのパターンが生まれるんですね。

  しかし、この結晶の曲線美は雪の結晶とも違い、単純ではなさそうです。暦の上では春の到来ですが、チャンスがあれば観察してみたいと思います。





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