2019年8月7日、記念すべき第一回せいめいユーザーズミーティングが京大構内で開催された。せいめいユーザーズミーティングというのは、せいめい望遠鏡のユーザーが一堂に会して、その研究成果や途中経過の発表、また、運用・将来計画などを議論する場である。今年は2月末から共同利用観測や京大観測時間が開始され、6月半ばまで観測運用されてきた。その後は望遠鏡・装置などのエンジニアリングが行われ、8月1日からまた観測が始まったタイミングでの開催である。既に半年程度の実績がある状態での開催というわけである。
この業界では、国立天文台岡山天体物理観測所のユーザーズミーティング(以下UM)が、年1回の頻度で開催されてきたが、その後継という位置づけとなっている。(なお、8月8日には関連する光赤外の天文台による連携の事業や、大学天文台の運用状況などを報告・議論する会が開催された。)
せいめいUMでは、最初に2019A(2019前期2月から6月)の共同利用総括、せいめい小委員会報告、望遠鏡、ドーム、観測装置の状況や今後の計画などの報告があり、質疑が行われた。午後からは、これまでにせいめい望遠鏡で得られた科学的成果の報告があった。さすがにまだ観測開始半年で、しかも、いろいろと初期不良もあったので、思惑通りには行かない部分もあるが、それでも8つもの初期成果(や計画)などが報告された。なかでも、明るい天体の観測では、既に面白い結果も出ており、この秋の学会で発表するとのことで、心強い感じがした。
その後、将来計画の議論の場となり、ここ1-3年程度の期間で開発中の観測装置の現状が報告された。開発中の観測装置としては、近赤外線偏光撮像装置、多色同時撮像カメラ、系外惑星直接撮像装置、近赤外相対測光分光器、可視高分散分光器、高速測光分光器と沢山のラインナップがあった。また、装置開発計画の紹介もあった。
ここで全体をまとめての議論が行われた。運用面でのあり方に関する要望や議論、将来に向けてどんな要求があるのか、それをどう準備をするのか等々、話題は多岐にわたった。項目によっては色々な意見や見方が噴出し、結局終了予定時刻を20分近くオーバーすることになった。
最後はミキシングセッション(懇親会)を生協で行い(上記事情で30分短縮になってしまったが)、忌憚のない意見交換が活発に行われた。
こういった議論は、今後、目標とする科学成果をより一層挙げていくために、望遠鏡や装置等といったハード、観測システム・制御等のソフト、さらに、望遠鏡運用の方針・方法等の改善に結びつく非常に重要な機会となる。来年度も開催予定であるが、来年は、酷暑の京都を避けたい気もする。が、日本中どこも暑いなかなぁ。
太田 2019月8月7日
会場の様子 |
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