プロマネの栗田です。
先日4年生(京大では4回生と呼ぶ)の卒業研究(京大では課題研究と呼ぶ)の発
表会が無事終わりました。24年度の学生3人は星の明るさを正確に測るための装
置(ホトメータ)の開発をテーマとしました。
星の明るさを測るというのは天文
学にとってもっとも基本的な技術の一つです。例えば、同じ星でも異なる距離に
あれば遠くの星はより暗く見えます。つまり、明るさの違いをより正確に知るこ
とができれば星や銀河までの距離が分かるのです。肉眼で星の明るさをしらべた
場合、2倍の違いを見分けるくらいしかできません。でも専用の装置を作れば
1/1000くらいの違いまで見分けることができます。このような装置なら遠くの星
がその星の前を横切る惑星の影によって暗くなることも検出することができま
す。しかし1/1000の精度は簡単には達成できませんし、達成している観測装置も
ほとんどありません(あってもギリギリですね)。
今回4年生は装置の機能と目標天体を絞ることで「明るさの計測」だけに特化し
た専用装置を開発しました。装置はほぼ完成したのですが、残念ながら実験室で
の調整が間に合いませんでした。例年成果発表の前夜は発表資料の作成や練習に
明け暮れるところですが、「星の光を装置に取り込みたい」という強い希望から
屋上の望遠鏡で観測を行いました。もちろん調整不足でうまくは行きませんでし
たが、その後の発表は好評でした。新しい4年生とともにもう少し手直しして、
この装置の可能性を確認したいものです。
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