2013年3月29日金曜日

広視野面分光観測で銀河を分析

 研究員の松林です。
 私は3.8m新望遠鏡に搭載する面分光観測装置を開発しています。面分光とは、昔から行われているスリット分光とは異なり、 正方形に近い視野で場所ごとの分光データ(色ごとの光の強度)を得る観測手法です。スリット分光と異なり、観測天体をスリットに載せる手順を省くことがで きるので、突然明るくなった天体の分光観測をすぐに開始することができます。また、面分光は銀河などの広がった天体を詳しく調べるのに非常に強力です。

 今週私は、中国の雲南省麗江で行われている研究会「広視野面分光観測で銀河を分析」に参加しています。過去の面分光観測データから何が分かったのか、今後どんな面分光観測が予定されていて何を明らかにするか、について講演と議論が活発に行われています (写真)。私も現在開発中の3.8m望遠鏡用面分光装置を紹介するポスター発表を行いました。
 
 この分野はヨーロッパの研究者が非常に得意にしているところであり、興味深い講演が多く大変勉強になりました。開催国の中国の研究者からも多くの講演があり、 活気を感じました。一方で日本からの参加者はたったの2人で、いまいち存在感を示せていないように感じました。日本からも重要な観測結果が出せるよう、私 たちが開発中の観測装置が少しでも良くなるよう、最大限の努力をしていきたいです。
 
 
 
 

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