2013年5月20日月曜日

10mの曲率

鏡製作担当の高橋です。

私も、先月末の宇宙・天文光学EXPOに行って参りました。
展示場では主に完成したセグメントミラーの横に立って説明をしていたのですが、今回は来場者の方の感想の中から2つ面白いものをご紹介します。

その1: 固いんだ。。

 どうも、研磨したクリアセラムは柔らかそうに思えるらしいのです。
 曰く、「ところてんのように見えた」そうで、触って見て 固いのに驚かれたようです。我々も、セグメントが研削加工時に 変形する様子を「こんにゃくのように」などと例えますが、これは あくまで大げさな比喩。実際の変形量は数kgfの力に対してせいぜい 数um。固いと言って差し支えないと思います。実際はどう見えるのか?
 また、見て頂く機会があればいいなと思います。

その2: 平面鏡ですか?

 もちろん凹面鏡です。が、鏡表面の曲率はおよそ10m。
 1m四方での凹み量はおよそ10数ミリ。かなり斜め横から見ないと 平面に見えてしまうのは致し方ありません。鏡の形状を測定する CGH干渉計は、この曲率に合わせて鏡面から10m上のやぐらに設置 されています。写真は干渉計がある位置から加工機を見下ろしたもので、直径1.3mある銀色の濃い円盤がこの程度に見える高さです。
 こんなに離れているのに数十nmの精度で鏡の形状が測れるなんて、 CGH干渉計ってすごい! 、、と、話がそれてしまいました。
 
会場では、多くの皆様に好意的なご意見を頂き、やる気を新たにすることが出来ました。
準備は大変でしたが、たまにはこういうイベントも良いなと思いました。

では。




0 件のコメント:

コメントを投稿