2015年10月16日金曜日

新・天文学入門

 今年(2015年)6月に岩波ジュニア新書を刊行しました。『新・天文学入門』(岩波ジュニア808)です。これは、埼玉県の春日部女子高校教諭の鈴木文二さんと私の共編著の本で、実質5人で惑星・恒星から銀河・宇宙に至る壮大な物語を執筆分担しました。「ジュニア新書」と銘打っていますが、決してレベルを落とした本ではありません。理系の本を敬遠されがちな一般の方も十分楽しめるような本づくりを目指しました。
 じつはこの本、2005年に刊行した『天文学入門~星・銀河と私たち』(岩波ジュニア512)の改定版です。この10年間、天文学、ことに惑星科学の進展にはめざましいものがあります。わたしたちから縁遠い宇宙の姿が明らかになった一方で、宇宙と地球とわたしたちとの「つながり」という観点は、ますますクローズアップされてきたように思います。ことに系外惑星の相次ぐ発見が、「つながり」を強めました。そこで系外惑星の記述に多くのページをさきました。
 鈴木さんの手になるコラム2は、私も関わっている高校生天体観測ネットワーク(Astro-HS)についてです。活動に参加した高校生はこう語りました。「全国の高校生が同時に観測するというこの計画は、300校近い参加があったそうです。いろいろな場所で、同じ流星を追う、まだ顔も見たことない高校生と時間を共有したのです。素敵な思い出でした。」コラムは次の言葉で締めくくられます。「宇宙を知りたい、その思いは、地球に生きる人類だけでなく、他の惑星系に住む宇宙生命も、きっと同じなのではないかと思います。」

嶺重 慎



 
岩波ジュニア『新・天文学入門』


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