2013年11月1日金曜日

Spring has come


こんにちは。鏡製作担当の高橋です。
 
妙なタイトルだな、と思われた方が沢山いらっしゃると思います。
秋も深まってきたこの時期に何を言っているんだ!という感じでしょうか。
春は来ていません。来たのはバネでした。複数個のばねですし、一つだとしてもタイトルは間違っているのですが、思いついてしまったので、失礼します。
さて、このバネですが、何に使うバネかというと、鏡の自重変形をキャンセルするために使います。ある程度大きな鏡の形状をを測定する際には、鏡自身の重さによる変形が無視できなくなります。支えている点から離れるほど、変形量が大きくなってしまい、望遠鏡使用時の形状を測定できなくなってしまうのです。
 
この問題を避けるために使うのがバネによる支持です。
鏡を支持点3点上に設置した際に、鏡背面の点にかかる自重分だけバネが下から支えることで、自重変形をキャンセルすることができるのです。
もちろん、ただのバネをそのまま下に置いても必要な反力を得ることはできず、鏡背面に当たった時に必要な圧縮量になるようにあらかじめ調整が必要です。
ただ、ばね定数が180 gf/mm のばねを±36g程度の範囲に調整するのに必要なばね長さの精度は±0.2mmで、これはそれほど難しくはありません(とっても簡単!というほどでもないですが)。あらかじめ調整したバネ支持治具を10~20個程度使うことで、必要な形状を測定できるようになるのです。
今回は、形状測定時に必要な、縁の下の力持ちのお話でした。
 
では。
 
 
 



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