光学など担当の岩室です。
あっという間に3月も終わり、新学期が始まりました。この時期は例年忙しいのですが、今年は大きな研究費の終了/開始と TMT 関係の仕事が重なり、てんてこ舞いの状況です。
まずは TMT 関係の話から。
TMT (国際協力で推進中の 30m 望遠鏡)で研究を行なう予定の研究者が集まって、毎年1度大きな会議が行われるのですが、今年は5月末に京都で行なうこととなりました(過去3回は全て米国)。
3.8m 計画を進めているメンバーも何人かはこの会議の準備に参加しています。
米国、カナダ、中国、インドなどから100名前後の参加者(もちろん日本人も数十名)を迎える必要があるのですが、食も文化も違う人々への対応は予想外の事が一杯起こりそうで、心配ではありますが貴重な経験になると思います。
例えば、食事に提供するものなどは、全て何が含まれているか明示しないといけない、とかです。通常であれば、外部の業者に丸投げして全てお任せとかにするのでしょうが、貧乏性で、ホテルの取りまとめも含めてついつい全部自力で進めています。TMT に関しては、今後も色々報告する機会があるかと思いますので、この会議の結果はまた次回以降にでも報告します。
次に、新しい分光器の話。
3.8m に取り付けるための新しい近赤外分光器を製作するための予算が確保できました。これで、3.8m 望遠鏡にも新たな「装備」が1つ加わる訳ですが、これまた、何から何までほぼ全て自力でやる計画なので、通常では考えられない予算規模で作らないといけません。DIY で自宅を建設するようなものです。
前年度までの研究結果の報告書を書き、今年度から始まる上記分光器の主要部分の部品の見積りを再度確認して、より具体的な申請書を準備しないといけません。更に、可視光の高分散分光器も現在予算申請中で、これも 3.8m 望遠鏡の重要な「装備」の1つなのですが、こちらも作るとなると更に大変です。分身の術が欲しいですね。
最近、X 線の天文衛星にトラブルがあり、関係者のショックは察するに余り有ります。私自身、2000年2月の Astro-E (X 線天文衛星)打ち上げ失敗をインターネット生中継で見ており(この時所属していた研究室の半分以上はX線天文の研究者でした)、大変な努力で5年半という驚異的なスピードで再打ち上げを成功させた経緯を見てきただけに、それよりも更に2倍近く大きい衛星のトラブルは絶望的に近い状況です。地上の望遠鏡の開発は、それに比べれば頑張れば何とかなる部分が多いので、これだけ困難な仕事が山積でも頑張れるかなと思う今日この頃です。
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