制御担当の木野です。 2月に京都大学に移ってきました。 もとの名古屋大学ではセグメント鏡の精度を調べる測定器を担当していました。 こちらは順調に開発が済んだので、次は望遠鏡(特に主鏡)の制御システムの開発を担当します。 新天地に移って本格的に活動開始! と言いたいところですが、まずは実験開発の環境整備からですね… 3.8m望遠鏡は18枚の鏡を使って星の光を集めます。 1枚の大きな鏡に比べて作るのが簡単なのですが、18枚に分かれた鏡を望遠鏡の上で正確に並べなおす必要があります。 このとき、鏡の高さ・傾きがそろっていないと星の像が歪んでしまいます。 どれぐらいの精度でそろえたら良いかというと、隣の鏡との段差が0.1ミクロン=0.0001ミリメート以下。 この時期、憂鬱な人も多いスギ花粉は直径が約30ミクロン。 食中毒の原因になる大腸菌のO-157の長さは約4ミクロン。 インフルエンザウィルスが0.1ミクロン。 鏡の高さがインフルエンザウィルス1個分ちがっていたら星像が歪んでしまいます。 直径3.8m鏡をインフルエンザウィルス1個分の精度できれいな面にそろえる。 広大な宇宙の観測には、こんな細かな技術が必要なのです。
財団法人宇宙科学研究イニシアティブ (The Space and Astronomical science Research Initiative Foundation) SARIF のさまざまな活動報告をお知らせします.
2013年3月4日月曜日
2013/3/4
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