ボードの嶺重です。
「バリアフリー」ということばで、戸惑われた方がおられるかもしれません。私はここ数年、バリアフリー天文教材プロジェクトを推進しています。これは、視覚障害者を含め誰もが使える天文学習教材を開発するもので、念願の「絵本」を完成したことは、昨年、書きました(2012年11月19日)。
京大内外で、そうしたバリアフリー活動を進めておられる方が他にもおられます。また全国の大学で、障害学生支援にあたっておられる方も増えてきました。そのような方々に声をかけまして、京大で最初となりますバリアフリーシンポジウムを、今年の6月29-30日に開催することになりました。
シンポジウムの仕掛け人の一人に、広瀬浩二郎さんという方がいます。京大最初の全盲の学生で、現在は国立民族学博物館のスタッフとして「さわる文化」の普及に全力を注いでおられます。関西テレビが広瀬さんの活動に関心をもちまして、6月6日に行われたシンポジウム記者会見でも取材が入りました。
「障害者」と聞くと、「かわいそう」とか「がんばっている」という印象をもつ人が大半でしょう。でも、それはどこか違うということを広瀬さんと話していると気づかされます。彼は、視覚障害者は触ることを日常にしている人(触常者)であり、「さわること」のプロである、と言います。その立場で、目がみえる人が忘れている「触覚」という感覚を「ひらく」ワークショップを推進しているのです。「かわいそう」「がんばっている」ではなく「おもしろい」である、健常者が知らない「おもしろい」世界の扉を開くようなシンポジウムにしたい、と共に準備を進めています。
興味をもたれた方は、
http://www.ar.media.kyoto-u.ac.jp/b-free/
をご覧ください。出席は「無料」ですが、事前登録が必要です。また、近く関西テレビで広瀬さん特集番組が放映されますので、そちらもぜひご覧ください。
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